2023/08/09
治療内容
グラグラになった歯に対するインプラント治療期間
6ヶ月治療回数
15回程度費用
インプラント手術(骨造成含む):297,000円(税込)
患者様は40代の女性で、「右上の前歯のグラつきが気になる」とのことで来院されました。
初診時のお口の写真がこちらです。
右上の1番目(一番手前)の歯は指で触るとかなりグラグラとした状態で、今にも抜け落ちそうなほどでした。
また古い被せ物が入っており、被せ物の変色や歯茎のラインのズレが目立っている状態でした。
①治療方法の相談
まずはレントゲン写真の撮影や歯周病の検査を行い、下記の3つの治療方法の説明・提案を行いました。
~インプラント治療~
インプラント治療では、見た目が良く違和感もほとんどない理想的な歯を手に入れることができます。失ってしまった歯の両サイドの歯質を削ったり、余計な負担をかけることも全くありません。
~見た目が綺麗な入れ歯による治療(スマイルデンチャー・ノンクラスプデンチャー)~
保険外診療では、見た目が綺麗な入れ歯を入れることも選択肢の一つにはなります。
しかし40代女性で1番前の歯となると、この治療では期待に応えられるほどの美しい見た目を確保するのは困難です。インプラント治療の方が審美性に優れた治療結果が期待できます。
~ブリッジ~
ブリッジとは失ってしまった歯の両サイドの歯質を削り、3つの歯を繋げるような被せ物を歯科用セメントでセットする治療法です。
ある程度の見た目は確保でき、違和感も少なく、歯を失ってしまった際に一般的に行われる治療方法になります。
大きなデメリットとして、両サイドの歯を大きく削らなければなりません。加えて両サイドの歯の土台がしっかりしていないと、長期的な安定は見込めません。
今回のケースでは、以下の写真のように左上1番目の歯の根っこが極端に短かったため、長期的な安定は見込めませんでした。
上記の3つの方法を説明したところ、患者様はインプラントによる治療を希望されました。
②抜歯
グラグラしている右上1番目の歯は、残念ながら抜歯することになりました。抜歯した後は、仮歯を両隣の歯とボンドで固定しました。
③インプラント手術
抜いた部位の歯茎が治るのを待ち、CTで手術のシミュレーションを念入りに行った後、インプラント手術を行いました。
手術は一般的な歯科治療の際に行う部分麻酔のもとで施行し、1時間程度で終了しました。骨を作る治療も行ったため術後は腫れと痛みがある程度出ましたが、お薬の服用で我慢できるほどでした。
④仮歯の装着
インプラントに仮歯を装着しました。ここから数回念入りに仮歯の調整を行い、審美性を最大限上げられるように仕上げていきました。
⑤最終的な型取り・色合わせ
仮歯が理想的な形に仕上がったので、最後に装着するジルコニアセラミッククラウンの被せ物の型取りを行いました。
色合わせのための写真撮影では、色がぴったり合うようカメラで入念に何枚も写真を撮りました。
⑥再シェードテイキング
被せ物ができ上がってきましたが、ご自身の歯と比較すると色が若干白くズレている状態だったので、再度色合わせの写真撮影を行いました。
⑦ジルコニアセラミッククラウンのセット
技工士さんに手直しを行ってもらい、周囲の歯に色・形ともにぴったりと合った被せ物ができ上がり、インプラントに装着をしました。
治療後の写真がこちらになります。とても綺麗な仕上がりとなり、どの歯がインプラント治療によるものか分からないほど周りの歯に馴染んでいます。
患者様は歯の見た目や違和感が全くないことに大変満足されております。
インプラント治療は費用や時間、そして外科的な治療を伴う大がかりな治療になりますが、終わってみるとインプラント治療を選択したメリットを大きく感じておられました。
・予後を完全に保証するものではありません。
・インプラントは自由診療(保険適応外)での治療となります。お体やお口の状態によってはインプラント治療が適応できないケースもございます。場合によっては隣の歯よりも少し見た目が悪くなってしまう可能性もあります。
・インプラントは虫歯にはなりませんが歯周病にはなります。治療後の定期的なメインテナンスが必須です。
・被せ物の色を周囲の歯にぴったり正確に合わせることはかなり難しい作業になります。今回のケースのように、色合わせのために来院が複数回必要になる可能性がございます。(患者様がご納得されるまで調整をしっかり行います。)
インプラント治療は、インプラントが適している症例に対してはとても満足度の高い結果が得られる治療法です。
今回のケースは若い女性の方でしたので、見た目(審美面)に配慮した治療が特に重要でした。見た目に配慮した治療となるとブリッジかインプラント治療の2択になります。
ブリッジは決して悪くはない治療なのですが、今回は隣の2本の歯を大きく削らなければならないのが最大のデメリットでした。
歯科医院にたびたび通院されている方はご存知かと思いますが、昔に治療した部位は再度トラブルを起こす可能性が高くなってしまいます。
一度歯を削って詰め物を詰めたり被せたりすると、必ず治療した箇所に繋ぎ目ができてしまいます。その繋ぎ目が虫歯のもととなり、やがて虫歯が再発してしまうことが多いのです。
インプラント治療は費用面や労力を考えると決して完璧な治療法ではありませんが、治療期間・費用・外科的な侵襲(痛み)の3点を乗り越えられれば、患者様にとてもメリットの大きい方法になることが多いです。
港南台パーク歯科クリニックでは、多数のインプラント治療を行なっております。他院に通院中の方でも何かお悩みやご不明点がございましたら、ぜひセカンドオピニオンとして港南台パーク歯科クリニックまでいらしてください。
インプラント無料相談がWebからご予約できますので、そちらもぜひご利用ください。
スタッフ一同、心よりお待ちしております。
港南台パーク歯科クリニック院長 川又
下記もご参照ください。