2024/08/24
, インプラント
治療内容
奥歯の標準的なインプラント治療期間
3ヶ月治療回数
6回程度費用
CT・診断料 無料
患者様は30代女性で、主訴は「左下の乳歯が冷たいものでしみる」でした。
こちらが初診時のレントゲン写真になります。
左下5番目は乳歯が残っており、大人の歯がありません。大人の歯に比べると極端に歯の根っこが短いことが分かるかと思います。これは先天性欠如歯といい、先天的に大人の歯が欠損している症例になります。過去のブログに先天性欠如歯について書いたものありますので、ご参考にして下さい。
①治療方針の相談
患者様のしみると言う主訴に対しては、「歯の神経を取る」ことによって改善することはできます。しかし、これだけ根が短い歯を治療したところで、どれだけこの歯が持つでしょうか?患者様と相談した結果、予後不良の歯であれば前向きに抜歯を行い、インプラント治療にて失った歯を補うことを希望されました。
②CTによる診断
当院ではインプラント治療に対するCT・診断料は無料としております。CTにて骨の量も十分にあり、シンプルな手術でインプラント治療ができることが分かり、その後、丁寧に説明を行いました。
③インプラント手術
部分麻酔にて30分ほどでインプラントを入れる手術が終わりました。手術中はしっかり麻酔が効いているので、全く痛みはありません。また、シンプルな手術となりましたので、術後もほとんど痛みや腫れはでませんでした。
④型取り
骨とインプラントが結合するのを2ヶ月ほど待ち、型取りを行いました。
⑤被せ物のセット
ジルコニアクラウンが出来上がってきましたので、微調整を行い、お口の中にセットしました。
とても綺麗に歯が入り、違和感も全くなく、患者様は大変満足されております。
・予後を完全に保証するものではありません。(インプラントが骨と結合せず、やり直しをしなければならないケースが極稀にあります。)
・インプラントは歯周病になる可能性はありますので、丁寧なセルフケアおよび歯科医院での定期的なメインテナンス・チェックが大切です。
今回のようなケースでは以下のような治療方法が考えられますが、私は次の理由でインプラント治療がベストな治療法かと思っております。先天性欠如歯に関しては多くの方からお問い合わせを頂いておりますので、ぜひご参考にしていただければ幸いです。
・<ブリッジ>
前後の歯を削り3つ繋がった被せ物を歯科用ボンドで接着する方法です。治療は簡単ではありますが、健康な歯を大きく削らなければなりません。また、削ったところから虫歯になる可能性が高いです。さらに、3つの被せ物が繋がっているために清掃もしにくく、口臭や歯周病のリスクが高くなってしまいます。加えて、保険診療で作成した際は金属となってしまい、見た目が悪くなります。保険外で白いブリッジを作成する場合はジルコニアによるブリッジが強度的にお勧めとなりますが、当院ですと3本で264,000円(税込)の金額となります。インプラント治療ですと385,000円(税込)です。金額的にはインプラント治療の方が高くなってはしまいますが、健康な歯を削らないと言う点ではインプラント治療がメリットは大きいと思います。
過去のジルコニアブリッジの症例もご参考に下さい。
・<部分入れ歯>
治療としては1番簡単ですが、違和感が大きいことが最大の欠点となります。食事をするたびに物が挟まったり、取ったり外したりと手入れの煩わしさが大きいです。今回のケースでは年齢的にも若く、精神的にも30代で入れ歯には抵抗があると思いますし、総合的に考えるとあまりおすすめはできません。
・<矯正治療>
矯正治療もケースによっては有効な手段となることはあります。ただ、長期間矯正器具をつけることに対する精神的な苦痛、歯を大きく動かすリスク(歯茎が痩せてしまう可能性や、歯の根が短くなってしまう可能性、噛み合わせが逆に悪くなってしまう可能性)を考えるとやはりシンプルにインプラントにて欠損部を補う方がベストかと思います。
患者様にはそれぞれ適した治療法がございます。この方法でなければならないと言うことは全くございませんので、しっかり説明を行い、患者様が望まれる治療提供を心がけております。
ご相談だけでも結構ですので、お困りのことがございましたらぜひ一度ご来院いただければ幸いです。
スタッフ一同お待ちしております。
港南台パーク歯科クリニック 院長 川又
こちらもご参照ください。