2023/04/30
, 歯科の知識
こんにちは!港南台パーク歯科クリニック 歯科衛生士の嵯峨です。
みなさんは、お酒はお好きですか?
日々のストレス発散や嗜みでお酒を飲まれる方も多いのではないでしょうか。私は少ししか飲めませんが、飲み会など楽しい場所では欠かせませんよね。
そんなお酒が虫歯や歯周病と関係がある事はご存知でしょうか?
以前、タバコと歯周病の関係について取り上げた記事(タバコがもたらす口腔内への影響とは?)を書きました。実はお酒(アルコール)も、虫歯や歯周病など口腔内への悪影響があります。決して飲まないで!ということではなく、こんな特徴があるんだ〜とだけでも覚えて頂けると嬉しいです!
お酒を飲むとついつい楽しくなってしまいますよね。そして酔っ払うとお風呂や歯磨きが面倒に感じる事はありませんか?
1日くらい良いかな、と思ってしまう時も、やはり夜はしっかりと磨いてから寝て欲しい理由があるのです。
人は就寝すると、唾液の分泌量が大幅に少なくなります。これが虫歯などに良くないのです。唾液は洗浄効果や殺菌効果など、人にとって良い作用をもたらします。この唾液が出ない事によって口の中の菌たちは大暴れ(繁殖)します。
また、アルコールには脱水作用もありますので、アルコールを飲むと体の水分はもちろん、唾液の分泌も少なくなります。それらにより口の中が二重に乾燥しやすい状態になり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
歯医者でも朝昼晩のうち1回だけ磨くなら、せめて夜だけは磨きましょう!と言われた事はありませんか?それには上記の理由があるからです。万が一、うっかり寝てしまったら、朝にいつもの2倍以上磨いてくださいね。言うまでもないですが出来るだけ朝昼晩毎回磨くようにしましょう。
最近は糖質オフのビールなども増えてきましたね。お酒に糖質が多い事はみなさんご存知かと思いますが、この『糖』が虫歯菌たちは大好物なのです。
甘い物だけではなく、糖が含まれる食べ物や飲み物が虫歯菌たちのエサとなり、酸を生成します。この酸が口の中に長時間留まる事により歯を溶かし、虫歯になります。砂糖を多く含む甘いカクテルや、ビールなどが代表例です。
また炭酸を多く含む飲み物も、口の中に酸性の環境を作り出し、虫歯や歯垢の原因になることがあります。ワインなどもpHが低い(酸性かアルカリ性かを示す数値において、酸性が強い)ため、飲み方を間違えると歯が溶けてしまう『酸蝕歯』になる可能性もありますので注意が必要です。詳しくは過去のブログをご覧ください。
話は逸れましたが、お酒の成分の特徴を知っているだけでも予防に繋がりますので、お酒を飲まれる際は気にしてみてください。
お酒を飲むと顔が赤くなる人とそうじゃない人がいますよね。実は、この顔色の違いが歯周病になりやすいかどうかの目安になる事をご存知ですか?
それはお酒を飲むことで口の中に発生するアセトアルデヒドという有害物質が深く関わっています。アルコールが肝臓で分解される際にアセトアルデヒドが生成されますが、これを分解する酵素の活性は遺伝によって決まっていて、活性型の人はアセトアルデヒドを早く分解し、顔が赤くなりません。一方でアセトアルデヒドの分解が遅い人、つまり顔が赤くなる人は有害物質が口の中に留まり続けるため、歯ぐきなどの歯周組織を傷つけてしまい、歯周病のリスクが高まります。
歯周病は目に見えませんし、自覚症状も無いことが多いのですが、このようにお酒を摂取した時の反応で歯周病になりやすいかどうかが簡易的に判断できます。
<健康なお口を維持するために>
今回はお酒がもたらす虫歯・歯周病への影響をご紹介しました。虫歯や歯周病は手強い病気です。原因も生活習慣や体質などさまざまで、その原因がいくつも重なって発病している方もいらっしゃいます。
当院の定期検診では患者さんの生活背景も考慮して施術を行うため、生活習慣や体質に関して詳しくお聞きする場合がございます。お酒だけではなく、食生活等でも気になることがあればお気軽にお尋ねください。
スタッフ一同、心よりお待ちしております。
港南台パーク歯科クリニック 歯科衛生士 嵯峨
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