2022/02/06
治療内容
スジ(小帯)の切除期間
短期間治療回数
3回(1回目:初診、2回目:処置、3回目:抜糸・消毒)費用
保険適応治療内のため数千円
写真の赤線がスジ(小帯)です
「上の前歯にスジ(小帯)が入り込んでいて歯並びが悪い」という主訴で来院されました。上記写真のように上の前歯(正中)にスジ(小帯)が入り込んで、前歯が離れてすきっ歯になっています。この状態を正中離開と言います。
画像上はそこまで治療が必要な状態に見えないかもしれませんが、スジ(小帯)の周囲は歯周ポケットが深くなるため、汚れが溜まりやすく虫歯と歯肉炎のリスクが高くなります。
当日はスジ(小帯)の周囲に少量の浸潤麻酔を行い、前歯の隙間に入り込んでいたスジ(小帯)を歯に沿って切除しました。
処置には電気メスを使用することが多く出血も少量のことが多いです。
処置自体はそこまで難しくなく、術後の痛みもほとんどないことが多いです(1~2日少し痛みが残る人もいます)。
処置1週間後の写真です。
処置直後も特に痛みなどはなく、状態も安定しています。
前歯の隙間に入り込んでいたスジ(小帯)が消失しているのがわかると思います。
スジ(小帯)が消失したことにより歯の隙間が顕著になっていますが、後方の歯に押され成長とともに埋まることが多いです。
数ヶ月経過しても埋まらない場合は矯正治療等を検討する場合もあります。
・予後を完全に保障するものではありません
・治療終了後に痛みなどの症状が出る場合があります
・ごくまれに再発する場合があります
・スジ(小帯)切除後も歯の隙間が埋まらない場合があります
今回は一番見つけやすい位置に起こる上唇小帯付着異常の症例をご紹介しました。
舌の下にも同様にスジ(小帯)の異常(舌小帯短縮症)が起きることがあります。
上記画像が舌のスジ(小帯)の異常(舌小帯短縮症)で、舌を前に出そうとするときに、上手く出せず舌がハート状になる特徴があります。また上顎に舌を付けられないのも舌のスジ(小帯)の異常(舌小帯短縮症)のサインです。
「た行」「な行」「ら行」の発音が不明瞭になり滑舌が悪くなります。
この症状については5歳くらいまで様子をみて、滑舌が治らなければ切除していく必要性があります。処置は上唇小帯付着異常とほぼ同じで、3回で終わり痛みもほとんどないことが多いです。
口の中のスジ(小帯)は、乳歯列期では上顎が成長していないため高い位置に認めることが多く、明らかな異常がなければ様子見で問題ありません。
しかし今回の症例のようにスジ(小帯)の周囲で歯周ポケットが深くなり、汚れが溜まりやすく虫歯と歯肉炎のリスクが高くなる場合があります。
成長とともに正しい位置に収まることが多いですが、永久歯が生えそろってきてもスジ(小帯)が残存してくる時は切除していきます。
誰でも簡単に見つけられる異常のため、もしご家族の方でこうした異常があれば、お気軽にご相談ください。
港南台パーク歯科クリニックでは、小さなお子さんが来院した場合、緊急時を除いてすぐ治療に入ることはありません。まず、使う器具をわかりやすく説明しながら、クリニックの雰囲気にゆっくり慣れていただきます。少し慣れたかな?という段階になってから検査に入り、結果にもとづき治療計画を立てて治療を開始します。
安心してご来院ください。
スタッフ一同、お待ちしております。
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