2021/12/02
, 歯のクリーニング・予防, 歯科の知識
皆さんは、キシリトールをご存知ですか?
ガムやお菓子などに入っていることが多く、テレビCMやスーパーなどで目にしたことがあると思います。また、「キシリトールは歯に良いもの」というイメージを持っている方もいらっしゃると思います。
そもそもキシリトールとは何なのか?どのような効果があるのか?
今回はキシリトールについてお話ししたいと思います!
キシリトールは、主に白樺(しらかば)や樫(かし)といった樹木や植物を原材料とする、天然の甘味料です。イチゴやカリフラワー、ラズベリー、ホウレン草などの野菜や果物にも含まれています。
また、私たち人間の体の中でも1日に約10〜15グラム作られています。人工的に作られたキシリトールもあり、お菓子やさまざまな加工食品に使われていますが、成分は自然由来のものと同じなので、安心して摂取できます。
キシリトールを摂取することで、どのような効果があるのでしょうか。
1、砂糖より血糖値を上がりにくくする
キシリトールは砂糖と同じぐらいの甘みがありますが、カロリーは砂糖の4分の3ほどしかありません。血糖値を上げないため、糖尿病患者さんの食事の甘味料としても使われています。
2、唾液の分泌を促してくれる
唾液はお口の中をきれいにしてくれる効果もあるので、虫歯になりにくい口腔内環境を作ります。これはお口の中の健康を保つために必要なことです。
キシリトールの甘さが唾液の分泌を促してくれたり、キシリトールガムを噛むことで分泌がさらに促されたりします。甘味による刺激と咀嚼の2つの効果で、お口の健康を守ることができます。
3、虫歯予防に最適
キシリトールが虫歯予防に良いと言われる理由は3つあります。
①プラーク(歯垢)をサラサラにする
キシリトールは虫歯の原因となる細菌(ミュータンス菌)の働きを抑えるため、キシリトールガムを噛んだ後に歯みがきをすると、プラーク(歯垢)を簡単に落とすことができます。
②虫歯の原因となる酸を作らない
プラークの中にいるミュータンス菌が酸を作り出し、歯を溶かすことで虫歯になりますが、ミュータンス菌はキシリトールから酸を作ることができません。それに加えてキシリトールは虫歯の原因菌であるミュータンス菌の活動を抑える性質もあります。
またキシリトールは酸を中和する働きもあるのです。
③再石灰化を促す
通常、酸によって歯の表面が溶けても(脱灰)、唾液がお口の中を中和することで、カルシウムやリンが歯の表面に戻って脱灰した歯を修復してくれます(再石灰化)。この繰り返しで、虫歯になりにくい歯が作られていくのですが、キシリトールは再石灰化を促す効果があります。
キシリトールには虫歯になりにくい効果がたくさんあるので、積極的に活用することをオススメします!
虫歯予防のために必要なキシリトールの量は、1日5グラム以上と言われています。
ガムなどの市販のキシリトール製品は、商品にもよりますがキシリトールの配合割合が低いため、1回2粒を1日に7回摂ることが望ましいとされています。わりとハイペースで摂取しなければならず、少し大変そうですよね。
しかし、港南台パーク歯科クリニックで販売しているキシリトールガムやタブレットは、1粒にキシリトールが100%含まれているので、1日4粒だけで効果が期待できます。摂取回数で見ると、市販品より取り入れやすいのではないかと思います。
摂取するタイミングは、食後・食間・就寝前が良いでしょう。そして3ヶ月以上、毎日続けることが大切です!
キシリトールはタブレットや飴にも含まれているので、歯科矯正をしている方や入れ歯等でガムを控えている方も、安心して摂取できます。ただ、ガムを噛むことで唾液の分泌が促されるので、可能であればタブレットや飴よりガムの摂取がおすすめです。
なお、キシリトールは一度にたくさんの量を摂取するとお腹がゆるくなり、下痢を引き起こすことがあるため、摂りすぎには注意してください。
キシリトールはあくまでも補助的に使うものなので、普段から正しい歯みがきができていないと、効果は得られにくいです。歯みがきの仕方やキシリトールの摂取量に注意しながら、歯科医院で定期検診を受けることが、お口の健康維持に大切です。より効果的な虫歯予防を、私たちと一緒に目指しましょう。
港南台パーク歯科クリニックでは、患者様1人ひとりに担当歯科医師・担当歯科衛生士がつき、予防プログラムを組んでいます。歯のクリーニングや歯磨き指導を行い、皆様のお口の健康を守ります。何かわからないことがあればお聞きください。ご来院をお待ちしております。
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