2021/09/17
, 歯のクリーニング・予防, 歯科の知識
こんにちは、港南台パーク歯科クリニックです。
皆さんは、虫歯の予防には「フッ素」が効果的であると聞いたことはありませんか?
しかし、フッ素がどのように虫歯を予防するのかについてはあまり知られていないのではないでしょうか。
そこで、今回はフッ素の虫歯予防の3つの作用と、港南台パーク歯科クリニックで行なっているフッ素塗布についてお話しします。
※本ページでは、フッ化物を「フッ素」と表現しています。
フッ素には大きく分けて3つの虫歯予防作用があります。
食事をすると食べ物や飲み物の中の糖分を餌にして、虫歯菌が酸を作り出します。その酸によって歯の表面(エナメル質)を形成する成分の「カルシウム」と「リン」が溶け出してしまうことを「脱灰」といいます。
カルシウムとリンは唾液にも含まれているため、脱灰されても時間が経てばお口の中の唾液によって修復されていきます。これを「再石灰化」といいます。
フッ素にはこの再石灰化を効率よくする働きがあります。
歯の成分(エナメル質)はリン酸カルシウムでハイドロキシアパタイトと言われる結晶を作っています。フッ素の作用により酸に強いフルオロアパタイトという結晶に変わり、虫歯になりにくくなります。
フッ素は虫歯の原因菌であるミュータンス菌の働きを弱めて虫歯の原因となる酸を作りにくくする作用があります。
ミュータンス菌は歯の表面に付いている白く柔らかい汚れであるプラーク(歯垢とも呼ばれています)に潜んでいます。
このようにフッ素には、「歯の質を高める効果」と「虫歯の原因菌の活動を低下させる効果」があるため、フッ素を利用することで虫歯の予防がかなり期待できます。
フッ素の活用方法には、フッ素歯面塗布、フッ素洗口、フッ素配合歯磨剤の使用などがあります。
フッ素歯面塗布は歯科医師、歯科衛生士が高濃度のフッ化物溶液やジェルを歯に直接塗布する方法です。塗布するタイミングとしては歯の生え始めが非常に効果的です。
また、矯正治療中や唾液流量の低下や歯根露出など、虫歯になりやすい状態の方に対しても効果があります。
歯科医院での定期的な高濃度のフッ素歯面塗布は乳幼児に定期的に継続して実施した場合、虫歯をほぼ半分に減少させたとの報告があります。また永久歯に対する予防効果については20~30%の報告が多いようです*1。
歯科疾患実態調査によれば、フッ化物歯面塗布を受けたことがある方の割合は平成28年度調査では62.5%となっています*2。
参考
厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイトe-ヘルスネット
参考文献
*1 筒井 昭仁,八木 稔 編 新フッ化物ではじめるむし歯予防 医歯薬出版, 2011.
*2 厚生労働省 平成28年歯科疾患実態調査
当院で使用している高濃度フッ素は2種類あります。
お好きな味をお選び頂けます!
フッ素歯面塗布に加えて、自宅でもフッ素で虫歯予防ができるようフッ素配合歯磨剤もご案内しています。
小さいお子様には、低濃度フッ素入り(フッ素濃度970ppm)の虫歯予防ジェルを使用しています。泡立ちも少なく使いやすいものです。自宅で毎日使用する事が可能です。虫歯予防効果は10%から20%と言われていますので、定期的なフッ素歯面塗布と併せることで虫歯予防効果が高まります。
当院ではオレンジ、グレープ、ストロベリーを販売しておりますので、気になる方は是非ご相談ください。
フッ素塗布を行ったからといって、絶対に虫歯にならないとは限りません。
もちろん甘いものをたくさん食べていたり、正しい方法で歯磨きができていなかったりすると虫歯のリスクは高くなります。
継続的なフッ素塗布、定期的な検診、正しいセルフケアが大切です。
港南台パーク歯科クリニックは、担当医・担当歯科衛生士制で、患者様一人ひとりのリスクを調べた上での予防プログラムを作成しています。
歯の磨き方やフッ素の利用についてなど気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。また是非定期的にクリーニングにいらしてください。お待ちしております。
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