2021/08/01
, 口腔外科
治療内容
歯科用CT画像を用いた親知らずの抜歯期間
短期間。抜歯後の疼痛は患者様によりますが1~3週間ほど治療回数
3回費用
保険診療内(CT画像代含め10,000円程度)
患者様は、数ヶ月前から右下の親知らず部の腫れを繰り返しており、抜歯希望で来院されました。
まず親知らずの状態を確認するために、パノラマレントゲン撮影をしました。
右下親知らず(黄線)が手前の歯に引っかかり、横たわっているのがわかります。親知らずの頭の部分の下(青線)は骨が細菌により溶かされて、病巣ができています。この病巣が、体調の変化によって暴れることにより、腫れを繰り返していると予想できます。
原因を除去するために抜歯が必要ですが、親知らずの根っこの先に神経(赤線)が走行しており、抜歯の際は神経麻痺のリスクが予想されます。
パノラマレントゲン画像のみでは、親知らずと神経の位置関係がはっきりしません。
正確な診断をするために、歯科用CTで撮影をしました。
これは顔を正面から見た画像です。
こちらは頭の上から見ている画像です。
神経麻痺のリスクを極力避けるため、歯科用CTにて同部位を撮影したところ、パノラマレントゲン画像ではわかりませんでしたが、歯科用CTで診断してみると実際には親知らず(オレンジ線)と神経(赤線)は接していませんでした。このような状態であれば、抜歯時に起こる神経麻痺のリスクはかなり低くなります。
また抜歯後も、走行している神経を避けるように処置ができるため、全体的により安全性の高い治療が可能です。
治療後は1~2日ほど強い痛みがありましたが、1週間ほどで痛みと腫れは、ほぼなくなりました。神経麻痺の症状等もありませんでした。
そして、親知らずが原因で右下の一番奥の歯(第二大臼歯)に、大きな虫歯ができているのがわかります。親知らずがなくなることで、この虫歯の治療がしっかりできます。
・予後を完全に保障するものではありません。親知らずの抜歯における神経麻痺のリスクは、およそ1/100と言われています。主な症状として、親知らずに近い部分の唇の感覚が鈍くなったり、歯に麻酔をしたような感じ(しびれ)が、親知らず近くの唇や歯茎に残ったりします。
・歯科用CTにて、親知らずと神経があまりにも密着していることが確認できる場合は、総合病院での抜歯をすすめることがあります。
・今回は1週間ほどで痛みが改善していますが、長引く人は治療終了から3週間ほど痛みが続く場合があります。
今回の症例では、痛みのある親知らずの抜歯を行っていますが、痛みがなくても親知らずの手前の歯が虫歯になっている場合もあります。
日本人は顎が小さい傾向にあるため、このように親知らずが横向きで生えてくる方が多いです。
そうすると、親知らずと手前の歯の隙間に汚れが入り、今回のような痛みや虫歯の原因となります。しっかり歯磨きができるような生え方をしている親知らず以外は、長い目でみると基本的には早期に抜歯をしたほうが、トラブルが少なくなるケースが多いです。
また、抜歯する場合、年齢が若いほど(10~20代あたり)親知らずは抜けやすく、術後の痛みも少なく済むことが多いです。もし神経麻痺が起きても回復する見込みが高いのも、若い方に多く見られます。
港南台パーク歯科クリニックでは、治療方法や治療期間などについて、患者様に丁寧にご説明をしています。当院には日本口腔外科学会認定医が在籍しております。親知らずでお悩みの方は、港南台パーク歯科クリニックにご相談ください。
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