2021/07/20
治療内容
右下奥歯のインプラントと歯周病治療期間
3ヶ月治療回数
8回費用
インプラント手術(GBR含む)253,000円(税込)
患者様は、他院で抜歯した右下5番目の歯にインプラント治療をしたいというご希望で来院されました。
港南台パーク歯科クリニックは多数のインプラント治療実績があるということで、インプラントメーカーの方から当クリニックをご紹介いただきました。
初診時のレントゲン写真では、右下5番の歯はすでに欠損しておりました。また、右下6・7番目の歯にはかなり段差がある古い銀歯が入っており、多量の歯石沈着も認められました。そこで、インプラント治療を行う前に右下奥歯(6・7番目)の歯周病治療から開始することとしました。
麻酔をして古い銀歯を除去しました。除去した理由は、段差がある銀歯のままでは、またすぐに歯石が沈着してしまうこと、銀歯を外した方がより歯石を取りやすくなるためです。
銀歯を除去した後、歯周ポケット(歯茎の中)にたまった歯石を徹底的に除去しました。この処置のことを「スケーリング・ルートプレーニング(SRP)」と言います。その後、仮歯を入れてその日の処置は終了としました。
次に、歯科用CTを撮影してインプラント治療の計画を立てました。下の奥歯のインプラント治療を行う際一番気をつけなければならないことは、神経・血管の損傷です。下顎の中には下歯槽神経という感覚神経と、血管が走っています。インプラント治療時にこの神経・血管を損傷してしまうと、神経麻痺が起きて術後に痺れが残ってしまったり、大出血を起こしたりする恐れがあります。
歯科用CTでは骨の量・質を見るのと同時に、神経・血管との距離を確認して安心・安全なインプラント治療を計画しました。
インプラント治療を局所(部分)麻酔で実施しました。今回は骨の幅が足りなかったため、骨補填剤を用いて「骨造成術(GBR)」という、骨を作る治療も一緒に行いました。手術時間は40分程度で、トラブルなく終了しました。骨を作る治療をしたため、インプラント治療後数日間は腫れが出ましたが、痛みは薬で問題なくコントロールできました。神経麻痺の症状もありませんでした。
インプラントと骨が結合(インテグレーション)するまで2ヶ月程待ち、型取りをしてインプラントに被せ物をセットしました。インプラントの被せ物には、「ジルコニア」という強度が強く、汚れが付きにくい歯科材料を選択しました。段差があった古い銀歯も、ぴったりと合った新しい銀歯をセットしました。
インプラントの被せ物をセットした後は、自分の歯のように噛むことができています。また、見た目も天然歯のように自然で、患者様は大変満足されております。
・インプラント治療は予後を完全に保障するものではありません。確率はかなり低いですが、うまく骨とくっつかない(インテグレーションしない)ケースもあります。
・下の奥歯のインプラント治療では神経麻痺のリスクがあります。安心・安全なインプラント治療を行うために、CT撮影は必須です。
・インプラントは自由診療での治療となります。
・インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病(インプラント周囲炎)のリスクがあります。今後もインプラントを長く使っていただくためには、定期的な歯科医院でのケアが必須です。
今回の症例は一般的なインプラント治療であり、当クリニックでは難しい治療ではありませんでした。しかし、安心・安全なインプラント治療を行うためには、CTによる十分な診断及び治療計画が必須です。
また、インプラント治療をするだけではなく、お口の中全体を見ることも非常に大切です。今回は右下奥の歯周病治療も一緒に行いました。基本的に歯周病は治すのが困難な病気であるため、いかに早く問題を発見してアプローチ(早期発見・早期治療)をするかが、非常に重要です。
今回は、港南台パーク歯科クリニックが使用している「ストローマン」というインプラントメーカーさんを通して、他院よりインプラント治療をご希望の患者様をご紹介いただきました。メーカーさんが当クリニックを紹介してくださった理由として、症例数が非常に多いことと、インプラント治療後のメインテナンスがしっかりしている点を挙げていただきました。
インプラントは虫歯にはなりませんが、歯周病にはなります。港南台パーク歯科クリニックは、歯周病治療にも非常に力を入れております。インプラントの有無に関わらず、ご自身の歯を使って美味しく食事を摂るためには、歯の定期的なメインテナンスが大変重要です。今後も皆様のお口の健康を守れるよう、スタッフ一同努力してまいります。
インプラント治療・歯周病治療でお困りの方は、港南台パーク歯科クリニックにお気軽にご相談下さいませ。
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