2024/04/22
こんにちは!港南台パーク歯科クリニック、歯科衛生士の嵯峨です。
みなさん、親知らずは生えていますか?過去に抜いた方もいらっしゃるかもしれません。
私は抜いてからもう10年くらい経ちますが、少し苦い思い出があるので、みなさんにも親知らずについて知っておいていただきたいと思い、今回ブログにしてみました。ご参考になれば幸いです。
親知らずとは、大人の奥歯の中で8番目、最も後ろに位置する歯であり、「第三大臼歯」というのが正式な呼び方です。
永久歯は通常、15歳前後で生え揃いますが、親知らずだけは生える時期が10代後半から20代前半と、遅れて生えてきます。「親に知られることなく生えてくる歯」であることから親知らずと呼ばれています。
不思議なことに、そもそも、親知らずは人によって上下左右4本生える方や、1〜3本の方、そして生まれつき全く生えない方など、様々なパターンがあります。
そんな不思議な親知らずですが、みなさんは上と下とでどちらが抜きやすいと思いますか?
正解は上の親知らずです!
上の親知らずはまっすぐ生えている事が多いので、治療時間は10分程度ですぐに抜歯できる場合がほとんどです。痛みも1〜3日程度で引くことが多いです。
ただし、上の親知らずが横向きに生えていたり、根が湾曲していたりする場合もありますので、治療時間や痛みの程度には個人差があります。
一方、下の親知らずは、生え方によって抜歯の難易度が大きく変わります。
他の歯のようにまっすぐ生えていれば早く抜けますが、歯茎から少し見えている場合や、横向きに生えている場合は、大掛かりな治療になることがあります。
具体的には、治療時間は1時間程度で、痛みが引くまでにも1週間前後と長丁場になります。
なぜこのようなことになるかというと、歯茎や骨を切ったり削ったりするからです。体への負担が大きいので、治るのにも時間がかかります。
そして横向きに生える親知らずがある場合は、CT撮影をします。
親知らずの下には下顎管といって、神経が通る管がありますので、CTで神経の確認をし、傷つけないように慎重に抜いていく必要があります。なお、保険診療の3割負担でCTは約4000円、抜歯は4000円程度かかります。
当院ではCT撮影の設備もありますので、横向きに生えている親知らずの抜歯も対応可能です。しかし、状態によっては大学病院へ紹介させていただき、そちらで抜いていただく場合もあります。
ここまでのお話で、「親知らずを抜くのは怖い!」と思いましたか?痛みや腫れが強く出た方のお話を聞いて、抜歯したくないとお考えの方もいるかもしれません。
しかし、親知らずは放置した場合のリスクもあります。
親知らずは口の中の奥にあり、もともと磨きにくいです。そのため、ケアが不十分だと親知らずが菌の温床となります。
親知らずが虫歯になると、1つ手前の歯にまで虫歯が広がるのです。そうして虫歯が広がっていくことが多いです。
さらに、親知らずは虫歯だけではなく歯周病にもなります。
特に、親知らずが横向きになっていたり、歯茎から少し顔を出していたりする状態などに多く見受けられます。
こちらも、手前の歯との隙間が菌の温床となり、歯茎が炎症を起こす場合があります。
このようなリスクを加味すると、親知らずを抜いた方が良いというケースは多いです。
私も、下の親知らずは横向きに生えていました。抜いた直後は痛みも出ましたが、放置した時のリスクを考えると、抜いて良かったと思っています。
では、いざ親知らずを抜くぞ!と決心してくださった方へ、抜いた後の流れに関しても少しだけお話しします。
抜いた所は軽くゆすぐ程度にしておきましょう。他の歯は磨いて構いません。
血が固まり、カサブタのようになって歯茎が治っていきます。再度出血しないよう、過度なうがいは控えてください。
翌日以降は通常のブラッシングをして構いません。
抜いた所に菌が溜まりすぎても治りが良くないので、優しくブラッシングしてください。
抜いた直後は親知らずの部分に穴ができます。
個人差はありますが、2〜3ヶ月くらいで穴は塞がります。
意外と知られていませんが、抜歯後は、歯茎の治り方によって、図の○部分に歯周ポケットが深く残りやすいです。
こちらはご自身では見えづらい箇所なので、定期検診でチェックするようにしましょう。放置すると手前の歯が歯周病になってしまう恐れがあります。
抜いた後の流れは以上になります。理解して、怖がらずに親知らずの抜歯をしていただければと思います。
また、抜歯が必要な方は、30代までに抜くのがおすすめです。
理由は、年齢が上がるにつれて周りの骨が硬くなり、歯が抜きにくくなるからです。
加えて、若い時の方が傷の回復も早いです。お悩みの方はぜひ早めにご相談ください。
最後に余談ですが、抜かなくても良い親知らずがあるのはご存知でしょうか?
抜かなくても良い親知らずは、2種類あります。
完全に埋まっている場合と、ご自身で歯磨きの管理ができる場合です。
前者は歯茎や顎の骨の奥深くに潜んでおり、菌たちが中に侵入できないので、抜かずにそのまま温存させておくことが多いです。
ブログ冒頭でもお話ししましたが、年齢を重ねても親知らずが生えてこないこともあります。
後者はとても重要です。ご自身で歯磨きの管理ができる場合には、抜歯しない選択もあります。
しかし、奥歯は磨きにくいので、デンタルフロス(糸ようじ)やワンタフトブラシなどを使った丁寧なケアが必要になります。
今回は親知らずについてご紹介しました。
できれば親知らずを抜きたくないとお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、虫歯や歯周病のリスクを高めてしまう場合もありますので、一度歯科医院で確認することをおすすめします。
港南台パーク歯科クリニックの定期検診では、虫歯のチェックや普段の歯磨きの状態のチェックだけでなく、一人ひとりの生活習慣・お悩みに合わせ、歯磨き指導やセルフケアグッズなどのご紹介をしております。
気になる方はぜひ当院の定期検診にいらしてください。
また、当院では2024年4月から、日本口腔外科学会認定医の新しい先生も勤務しています!とてもお優しい女性の先生です。
親知らずでお困りの方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度、ご相談だけでも構いませんので、当院へご来院ください。
スタッフ一同、心よりお待ちしております。
歯科衛生士 嵯峨
こちらもご参照ください。