2024/01/19
治療内容
歯根破折した歯に対するブリッジ治療期間
4ヶ月治療回数
6回程度(歯周病治療は除く)費用
ジルコニアブリッジ 264,000円(税込)
患者様は30代の女性の方で、『右下の奥歯が腫れて痛い』といった主訴で来院されました。
初診時のレントゲン写真がこちらになります。
レントゲン写真を見ると、右下6番目の歯の根がパックリと割れてしまっていることが分かります。
今回はこの奥歯の欠損に対して行ったブリッジ治療のご紹介です。
①治療方針の説明
歯の根が割れてしまった歯に関しては残すことが不可能ですので、今回は抜歯を行い、丁寧な説明を行った後、以下の3つの方法の中から患者様に治療方法を選んでいただきました。
・インプラント治療
前後の歯を全く削らないで済むこと、前後の歯に余計な負担がかからないことが何よりのメリットです。
外科的な治療が必要、治療期間がやや長い、自由診療になり費用がかかるのがデメリットです。
・ブリッジ治療
金属で問題なければ保険適応、治療が比較的簡単、治療期間が短いのがメリットです。
前後の歯を削る、前後の歯に余計な負担がかかる、手入れが少し大変といったところが大きなデメリットです。
・入れ歯治療
治療が簡単、治療期間が短い、保険適応がメリットです。
違和感が強い、食べ物が挟まりやすい、見た目が良くないといったところがデメリットです。
今回のケースでは前後の歯がほとんど削られていない健康な歯でしたので、歯を全く削らないインプラント治療が1番オススメではありましたが、外科的な処置・金額的な問題から患者様は保険外のジルコニアブリッジ(白いブリッジ)にて治療を進めて行くことを選択されました。
②抜歯・歯周病治療
まずは割れてしまった歯の抜歯を行いました。また、全体的に歯周病の進行・歯石沈着も見られましたので、歯を抜いた部位の歯茎が治るのを待っている間に歯周病治療を行いました。今回行なった歯周病治療はスケーリング・ルートプレーニング(SRP)という麻酔を行なって歯周ポケットの中の歯石を綺麗に除去する治療になります。
こちらもご参照ください。
③歯を削って仮歯の装着
部分麻酔を行い前後の歯をブリッジが入れられるように削り、仮歯を装着しました。
④型取り
削った後に痛みが出ていないことを確認して、ブリッジの型取りを行いました。
⑤ジルコニアブリッジのセット
ジルコニアブリッジが出来上がってきましたので、適合・咬み合わせが問題ないことを確認して、セットしました。
見た目も問題なく自然な仕上がりになっています。
レントゲンも撮ってしっかりと適合しているかを確認しました。
ブリッジ装着してしばらくの間は知覚過敏様の症状が出現しましたが、その後は染みる症状も落ち着き問題なく使用できております。ブリッジは入れ歯治療とは異なり、違和感がほぼなく硬いものもなんでも噛むことができます。また、白いブリッジが入り患者様は見た目にも大変満足されております。
ブリッジは歯がつながっているためしっかり清掃できなければ、虫歯や歯周病のリスクが高まるので、歯科衛生士より丁寧にセルフケアの方法の説明も行わせていただきました。
・ジルコニアブリッジは保険外診療になります。
・歯を削ることにより治療後に知覚過敏様の症状が出現することがあります。
・前後の歯の状態が悪い場合はブリッジ治療が適応できない場合があります。
・セルフケアが不十分だとブリッジの支えとなる歯が虫歯や歯周病になることがあります。
今回のケースでは私としてはオススメな治療方法はインプラント治療になります。それは前後の歯がほぼ削ったことのない健康な歯だったからです。歯を削って治療を行うことで、必ず治療した詰め物や被せ物と自分の歯との境目(つなぎ目)ができます。その境目から今後虫歯になる可能性が高くなってしまうため、極力歯を削らない治療が自分の歯を守るためには最適だからです。
歯医者に長く通院されている多くの方は一度虫歯になってしまった歯が度々トラブルを起こしてしまっているので、できるだけ健康な歯は削らない様にすることが望ましいです。
しかし、患者様によって最適な治療方法は異なります。どうしても外科的な治療を避けたい人、治療期間を短くしたい人、歯に大きなお金をかけられない人、様々な要望があるかと思います。当院はお一人おひとりにとって最適な治療方法を一緒に話し合いながら考えております。今回のケースでは歯を削るブリッジ治療にはなりましたが、
『丁寧に歯を削ること』
『丁寧に型取りを行い精度の高いブリッジを入れること』
『ジルコニアという汚れのつきにくい材質を使うこと』
『患者様により丁寧にセルフケアを行なってもらうこと』
以上により長期にブリッジを使用していただくことが可能になるかと思います。
保険診療も決して悪い治療ではありません。今回のケースで保険診療の治療を行うと、材質的には金属の見た目になってしまうこと、金属はより汚れがつきやすいというデメリットはあります。しかし、丁寧な治療を行なっている歯科医師の治療を受けることで長期的に問題なく使用できているケースが多数ございます。
歯の欠損を放置していると少しずつ噛み合わせが乱れたり、他の部位に負担がかかり、どんどんお口の健康が悪くなっていきます。歯を失ってからの治療についてお悩みがある方は、ご相談だけでももちろん結構ですので、ぜひ当院にいらして下さい。スタッフ一同お待ちしております。
港南台パーク歯科クリニック院長 川又
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