2023/10/07
こんにちは!港南台パーク歯科クリニック 歯科衛生士の嵯峨です。
いつも、治療や定期検診でご来院していただき、ありがとうございます!
突然ですが、定期検診の中でこんな事を言われた経験はありませんか?
『残念ですが、 以前治療した歯が、また虫歯になっています…』
治ったはずの歯が、また虫歯になってしまったとなれば、本当にガッカリしますよね。
みなさんの中には
『虫歯になっても、また被せ物とか、やり直せば治るんでしょ?』
と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
でも、ちょっと待ってください!
実は、そう上手く行かないケースもあるんです 。
多くの方にはあまり知られていませんが、再治療の回数には限度があります。
まず、結論からお伝えしますと、再治療できるのは
『およそ5回まで』です。
虫歯の治療では、虫歯になった歯を削り取ります。
そのため、虫歯の範囲が大きくなるにつれて、再治療が難しくなってしまうのです。
※例えば、銀歯の詰め物(インレー)や、被せ物(クラウン)を入れるような虫歯の治療の場合、
①虫歯を削って型どり
②銀歯が出来上がってきて装着する
という2つの治療工程がありますが、今回は、これを1回の治療とカウントします。
治療工程については、また、別の機会にお話させてください。
虫歯の治療にはいくつかの方法があり、程度に応じて選択する治療は変わります。
大まかな流れはこちらです。 (虫歯が進行していくほど、下の治療が必要になります。)
健康な歯
↓
治療① CR(コンポジットレジン)
↓
治療② インレー
↓
治療③ 根管治療 クラウン
↓
治療④ 再 根管治療 クラウン
↓
治療⑤ 抜歯 ブリッジ 入れ歯 インプラント
それぞれの治療を、簡単に説明させてください。
いきなり、聞きなれない英語が出てきました。でも、安心してください。
CR(コンプジットレジン)とは、簡単に言えば、プラスチックのことです。
初期の虫歯が徐々に悪くなり、歯に穴が開いてしまうと、虫歯の治療が必要となってきます。
ここで、CR(コンポジットレジン)という治療が行われます。
よく『削って詰める治療』と言われています。
CRは小さな虫歯の治療が得意で、
保険治療内で歯と同じ色で治せるところが、メリットです。
虫歯の治療が必要になっても、この辺りで留めておきたいものです。
この名前も聞きなれないと思いますが、
わかりやすく言えば、銀歯(小)です。
よく『型どりをする』と言われる治療です。要は金属の詰め物です。
※実際は材質がセラミックでも、インレーと呼ぶ場合があります。
ややこしくなるので、今回は『詰め物の形の名前』がインレー、とお考えください。
画像の形を参考にしていただくと、イメージしやすいかと思います。
CRとの違いは、主に強度です。
大きい虫歯に対してCRで詰めてしまうと、CRが割れてしまう可能性があります。
そこで、金属のインレーを選択する場合があります。
この治療も、最終的には型どりをして、金属を被せていきます。いわば銀歯 (大) です。
こちらは、いよいよ虫歯が大きくなり、歯の中にある神経 (根管) まで虫歯が広がってしまった場合に、選択されることが多いです。
よく『神経を抜く治療です』などと説明されます。
虫歯になった神経を全て取り除き、虫歯がこれ以上広がらないようにお薬を詰めてから、被せ物 (クラウン) を作っていきます。
根管治療では、虫歯になった歯を削るので、歯や根元が薄くなります。
そのため、歯が脆くなり、歯が根元から割れてしまうと、一気に歯の寿命が縮まってしまいます。
治療後は、お口の管理に特に注意が必要です。
『一度根管治療を行った歯が再度感染を起こしてしまった』場合は、「再」根管治療を行います。
治療③の最後に根管に薬を入れるのですが、再治療では取り除く必要があります。
これが厄介で、歯を温存する難易度が上がりますので、重度の虫歯の場合は、残念ですが、歯を抜かざるを得ないケースもあります。
いよいよ歯の寿命が来てしまいました。
治療④で何度も再治療できれば良いのですが、治療で歯を削るため、何度か繰り返すと残せる部分が無くなってしまいます。
そうなると、抜歯をしてブリッジや入れ歯、インプラントなど、歯の代わりになる装置を作る治療に移ります。
抜歯となればショックが大きいかと思いますが 、その後もお食事に不便が無いよう、先生方は患者様一人ひとりに合った治療法をご提案してくださるので、ご安心くださいね。
以上が、虫歯治療の大まかな流れになりますが、
みなさんの予想は何回でしたか?
個人的に、5回というのは少なく感じます。1日でも長く、ご自身の歯を使えるのが一番ですから、普段からお口の状態には注意しておきたいです。
ただし、あくまで5回というのは目安です。
患者様一人ひとりのお口の中や虫歯の状態によって、回数は増減します。
また、虫歯だけではなく、歯周病や噛む力が強いなど、別の理由でも抜歯が必要になる場合もあります。
これらを全て防ぐことは難しいですが、知識として、あらかじめみなさんの頭の中に入れておいていただければ、抜歯など最悪の事態は防げるかもしれません。
このブログで、少しでもご自身の歯に興味を持っていただけたら幸いです。
何はともあれ、再治療を必要としないに越したことはありません。
私たち歯科衛生士も、虫歯や歯周病にならないよう努力して参りますので、治療が終わった後は、ぜひ定期検診にいらしてください。
スタッフ一同 心よりお待ちしております。
歯科衛生士 嵯峨
こちらもご参照ください。