2022/03/18
治療内容
精密な前歯のジルコニアセラミック治療期間
約1ヶ月半治療回数
6回費用
ジルコニアセラミッククラウン4本 484,000円(税込)
患者様は20代女性で、主訴は『3年ほど前にすきっ歯の治療をするために行ったラミネートベニアのセラミックが取れてしまった。やってもらったクリニックでも繰り返し付け直してもらったが、その度に取れてしまう。前のクリニックではセラミックを入れたら歯茎が腫れたり出血したりすることはないと言われたが、一生懸命に歯磨きをしても、歯茎の腫れが引かず、出血も毎日続いていて困っている。この治療を受けたことを非常に後悔している。どうにかならないでしょうか?』というものでした。
患者様は毎日鏡を見て、悩まれていらっしゃいました。
初診時の写真が以下になります。
歯茎はぷっくりと腫れてしまい、所々に出血が見られます。いわゆる歯肉炎の状態です。また、右上のラミネートベニアが取れてしまっています。
歯茎に風をかけると、腫れ上がった歯茎の下に黒い歯石がついているのが分かります。
まずはなぜこのようなお口の状態になってしまっているのか、患者様に丁寧に説明しました。
大変残念ですが、今回は患者様の歯磨きがうまくできていないからではなく、今までの歯科治療が上手くいっていないことが大きな原因でありました。精度の良くない被せ物が入っているため、その段差に汚れや歯石が溜まってしまい、歯茎が腫れ上がって出血が起こっていたのです。
治療方法としては、精度の高い被せ物を入れ直すことが一番で、容易に歯茎の状態を回復させることができると伝えました。
患者様は、見た目も良く、汚れもつきにくいジルコニアセラミッククラウンにて治療することを選択されました。
今回の患者様のケースではラミネートベニアでは被せ物が容易に外れてしまうことが予想されましたので、歯を削る量は多くなってしまいますが、全体を覆うクラウンで治療することとしました。
治療の流れは以下のとおりです。
①お口全体のクリーニング及び歯磨き指導
まず最初にお口全体のクリーニング及び歯磨き指導を行い、歯茎の炎症をとりました。
②古いラミネートベニアの除去、仮歯のセット
ラミネートベニアを外すと多量の歯石の沈着を認めました。このような状態ではどんなに一生懸命に歯磨きをしても、歯茎の腫れや出血が改善しないことが容易に想像できるかと思います。
③2週間後の歯茎の状態確認
仮歯の状態で丁寧に歯磨きをしてもらい2週間後に歯茎の状態を確認しました。原因を除去したため、歯茎の腫れ・出血が引いているのがはっきりと分かりました。
④型取り
歯茎の状態が改善したところで、精密に型取りを行いました。
⑤ジルコニアセラミッククラウンのセット
ジルコニアセラミッククラウンをセットしました。セット2週間後の写真がこちらになります。治療前の歯茎との違いは一目瞭然です。
『長年の悩みでありコンプレックスであった前歯が綺麗に治り、毎日鏡を見るのが楽しくなしました!』という大変嬉しいお言葉をいただきました。
以前のような歯茎の腫れや出血も認めず、経過は良好です。
・予後を完全に保障するものではありません。
・ジルコニアセラミックは自由診療での治療となります。
・十分なセルフケアができなければ、歯肉炎の再発の可能性があります。
歯磨きが上手にできなければ、歯肉炎という歯茎が腫れて出血しやすい状態になってしまいます。しかし、どんなに患者様が一生懸命に上手に歯磨きをしても、精度の低い歯科治療では歯茎の腫れや出血の改善は難しく、歯肉炎の状態が継続してしまいます。残念ではありますが、このようなケースは医療行為(歯科治療)自体が原因となってしまっているのです。
おそらく前の歯科医師は歯を極力削らないことに重点をおいて治療を行ったために、このような歯肉炎が生じてしまったのだと考えます。今回のケースではラミネートべニアでの治療方法を選択した場合には、被せ物が取れてしまうことも容易に想像がつきます。
患者様は歯をなるべく削らない治療を望むことは当然です。しかし、ライセンスをもった歯科医師は、患者様の要望をそのまま受け入れた治療を行うのではなく、今後起こりうることもしっかりと想定して患者様に最善の治療を説明し、提供していかなければならないと思います。
大切な自分自身のお口を守るためには、いかに質の高い治療を受けるかが重要な要素です。今回の症例でも患者様には当院と他院との質の違いを実感していただけたかと思います。患者様としては大変難しいことと思いますが、いかに良い歯科医院を見つけるかが重要です。
私がお勧めする歯科医院は
・治療が丁寧で、一人一人に十分な治療時間を確保していること
(精密な治療はバタバタしていては絶対にできません)
・患者様の意見をしっかり聞くだけでなく、専門家としての意見も丁寧に説明があること
・この人なら自分のお口を任せられるな!と思える歯科医師がいる医院であること
以上になります。参考にしていただければ幸いです。
今回の症例と同じようなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度港南台パーク歯科クリニックにご相談にいらして下さい。
港南台パーク歯科クリニック 院長 川又
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