2022/02/24
治療内容
ロケーターによる下顎のインプラントオーバーデンチャー期間
3ヶ月治療回数
8回程度費用
インプラント2本 440,000円(税込) ロケーター2個 176,000円(税込)
患者様は50代男性で、主訴は『下の総入れ歯を作ったが食事をする時にカタついて痛い。喋ると入れ歯が浮き上がってしまい喋りにくい。なんとか入れ歯を安定させることができないか?』というものでした。
お話を伺うと、ご両親も歯周病で早々に歯を失って総入れ歯になってしまったそうで、患者様は遺伝的に歯周病体質であることが想像できました。50代にして全ての歯を失ったのは遺伝的な因子が強く、上下ともに総入れ歯となってしまっておりました。
まず最初は、使用中の義歯を調整することから開始しました。入れ歯を歯茎にピッタリ合う良い状態にできるように裏側のプラスチックの張り替えを行う調整を何回か試みました。しかし、残念ながら患者様の納得できるレベルにまでは到達せず、やはり食事や会話した時の入れ歯のカタつきは改善できませんでした。
そこで今度は2つの異なる治療法を提案いたしました。
インプラントオーバーデンチャーのメリットは、インプラントで入れ歯を固定するため、入れ歯のカタつきがかなり改善できる点です(多少のカタつきはあります)。
また、入れ歯を取り外すことができるので、インプラントの手入れが容易です。
デメリットは、入れ歯なので着脱の煩わしさがあることや、入れ歯による装着感がそれなりにあることです。硬いものを噛むと歯茎が痛むこともあります。
②インプラント4本を用いてブリッジを固定する方法(ALL ON 4)
ALL ON4のメリットは、入れ歯とは違ってインプラントによって固定性のブリッジを装着するため、カタつきがゼロになることです。
そして、ほぼ自分の歯と同じような見た目と機能を獲得できます。硬いものでもなんでも噛めます。
デメリットは、ブリッジが外せないのでインプラント周囲のメインテナンスが難しいことと費用がかなり高額になってしまうことです。
患者様は入れ歯の装着感はそこまで気にしておらず、とにかく入れ歯のカタつきを抑えたいとのことでしたので、今回は①のインプラント2本を用いて入れ歯を固定する方法で治療していくことに決まりました。
治療手順は以下です。
1:シミュレーション:歯科用CTを撮影し、インプラントがより安全にできるよう計画をたてました。
2:インプラント手術:局所麻酔下にインプラント埋入手術を行いました。
手術時間は1時間程でトラブルなく終了しました。インプラント手術後は歯茎が腫れて入れ歯が痛くなりやすいため、入れ歯が問題なく使用できるよう入れ歯にクッション剤を敷いて丁寧に調整を行いました。
3:ロケーター(インプラントと入れ歯を固定する留め具)装着:インプラントが骨と結合(インテグレーション)するのを3ヶ月ほど待ち、今まで使用していた入れ歯にロケーターを装着し、入れ歯を調整しました。
4:入れ歯の微調整:入れ歯を数日間使ってもらい、噛み合わせの微調整を行いました。主訴であった入れ歯のカタつきは改善し、処置終了となりました。
ロケーター装着後は入れ歯のカタつきがかなり改善され、食事や会話中に外れることも全くなくなり、患者様も大変満足されております。
それだけでなく、入れ歯を外す際は力を入れなければならないほど、しっかりと固定されております。
(ロケーターの維持力は何段階かに調整することが可能です。現在使用しているものはかなり弱目のものになりますが、それでもかなりの維持力です!)
現在、治療後4年ほど経過しますが、インプラント・入れ歯ともに問題なく、快適に総入れ歯を使用されております。
無歯顎(歯が1本もない状態)ですが、適切な管理がなされていなければ、インプラントが歯周病になってしまうため、現在港南台パーク歯科クリニックで4ヶ月に1回のメインテナンスを継続しております。
・予後を完全に保証するものではありません。
・インプラントは適切な管理がされていなければ歯周病になります。
ご自身でのケアに加え、歯科医院での定期的なケアが必須です。
・自由診療での治療となります。
・患者様のお体やお口の状態によっては、インプラント治療が適用できない場合がございます。
歯科医療に携わって10年になりますが、下の総入れ歯の治療は本当に難しいです。
多くの患者様が入れ歯の不具合のため、歯科医院に何回も調整のために通院されているとことと思います。
今回ご紹介させていただいたインプラントによる入れ歯の固定(インプラントオーバーデンチャー)は、下の総入れ歯の患者様には本当に素晴らしい治療だと思います!!!
この治療をさせていただいたほとんどの方から、『もっと早くこの治療をすれば良かった!本当にこの治療をして良かった!』という声をいただいております。
インプラント治療は十分な骨がなければ難しく、全員に適応できる治療とは言いきれません。
しかし、下顎の骨は、多くの方が十分に残っていることがほとんどですので、今回ご紹介させていただいたインプラントによる入れ歯の固定(インプラントオーバーデンチャー)は多くの方が治療できる可能性が高いです。
歯周病で総入れ歯になった方や入れ歯でお困りのご家族の方などがおられましたら、是非一度港南台パーク歯科クリニックまでご相談下さい。スタッフ一同お待ちしております。
こちらのページもご覧ください。