2022/02/13
こんにちは、港南台パーク歯科クリニックの歯科衛生士です。
以前のブログで、「口腔習癖とは」という内容をお話しました。今回はその続きです。
ブログ「口腔習癖(こうくうしゅうへき)と歯並び、噛み合わせへの影響」
MFT(口腔筋機能療法)とは、歯列を取り巻く口腔周囲筋の機能を改善する、訓練法です。つまり、歯並びに関係している舌、唇、頬などの口腔周囲筋を、正常な環境に整えることです。
歯並びに悪影響のある習慣については、上記のブログで紹介しています。ぜひご覧ください。
お口の外側には唇や頬、内側には舌があります。いつも唇が開いていたり、舌が口からはみだしていたりすると、筋肉の圧力により歯が望ましくない方向に移動し、歯並びが悪くなります。
また、歯の矯正治療を行っても、筋肉からの圧力がそのままの状態だと、歯が元の位置に戻ってしまいます。
MFTは、これらを防ぐために必要な矯正治療の1つです。
MFTには3つの要素があります。
①個々の筋肉の訓練
舌、唇、咀嚼筋など、それぞれの筋肉の機能改善をはかります。筋肉の力を強めるだけでなく、緊張しすぎている筋肉をリラックスさせ、全体的に調和のとれた状態を目指します。
②咀嚼・嚥下・発音・呼吸の訓練
これらの動作をする際、口腔周囲筋がかける筋圧を適正化し、正しく動作ができるようにします。それと同時に、歯並びの悪化を防ぎます。
③唇と舌の正しい姿勢位の訓練
リラックスしたときに「唇と舌がいつも正しい位置にある」ことを目指します。「正しい位置」とは「筋肉が歯並びに悪影響を与えない位置」です。
※「姿勢位」とは、安静時における唇や舌の位置のことです
これらの要素のうち、特に「③唇と舌の正しい姿勢位の訓練」は、歯並びに大きな影響を与えるとされています。
皆様は普段、お口をポカーンと開けていませんか?口呼吸になっていませんか?舌はいつもどの位置に置かれていますか?上の歯に当たっていたり、下の歯に当たっていたり、または下に落ちていませんか…?
このような悪習慣が続くと、歯並びが悪くなるだけでなく、次のようなトラブルにつながります。
・発音、滑舌が悪くなる
・食事中にくちゃくちゃと音が出る
・いびきをかきやすくなる
・風邪をひきやすくなる
・口臭がきつくなる
・歯周病になるリスクが高まる
唇と舌が正しい姿勢位にあると、次のような状態になります。
・鼻で呼吸している
・舌は、安静時に口蓋(上あご)にリラックスした状態でついている
・上下の歯は、安静時にわずかに離れており、嚥下(飲み込む)の瞬間のみ接触する
なお、唇と舌の姿勢位が正しくない場合、咀嚼・嚥下・発音のいずれかに問題があることが多いといわれています。
水を含ませたコットンロールを下唇の裏に入れ、舌の先を上あごにつけたまま、30分間唇を閉じます。
また、舌の先を上あごにつけたまま、犬歯(前から3番目の歯)の後方でストローを軽く噛み、舌が落ちないように支えながら、唇を閉じている状態を保つ方法もあります。
そして、お家で簡単にできるトレーニングは「うがい」です!
唇をしっかり閉じて、周りに音が聞こえるぐらい強くブクブクうがいをします。それにより、唇や舌の筋力強化につながるのです。
コロナ禍の今、うがい・手洗いは日常に定着している習慣の1つだと思います。ぜひ帰宅時や歯磨きのときなどに取り入れてみましょう。
また、普段から正しい姿勢位を保つことを、お口の習慣として意識することも大切です。ぜひ、今日から実践してみてくださいね。
このブログをご覧になって気になることがありましたら、ぜひ港南台パーク歯科クリニックへご相談ください。当クリニックでも月に一度、専門医による歯科矯正相談を受け付けております(MFTは矯正歯科の分野に入ります)。
できるだけ早くトラブルを発見し、治療計画を立てていきましょう。皆様のご来院をお待ちしております。
こちらもご参照ください。
港南台パーク歯科クリニック|矯正歯科