2021/11/22
こんにちは、港南台パーク歯科クリニックの 歯科衛生士です。
今回は口腔習癖(こうくうしゅうへき)についてお話したいと思います。
口腔習癖とは、日常生活において無意識に行っているお口のクセのことをいいます。
歯の並びは、外側の唇や頬と、内側の舌のバランスの上に成り立っています。
しかし、口腔習癖が長期間継続すると、このバランスが崩れて歯並びや噛み合わせに悪影響をきたすようになります。
では、口腔習癖にはどんなものがあり、どういう悪影響があるのでしょうか。
指をくわえ、吸引する習慣のことをいいます。俗に言う指しゃぶりのことです。
その中でも拇指(ぼし:おやゆびのこと)を吸う拇指吸引癖が最も多いと言われています。4歳までは生理的なものと考えられますが、4歳を過ぎても指しゃぶりをしている場合には、精神的な緊張や欲求不満などが原因と考えられています。
指を上の歯の裏側にある「口蓋(こうがい)」という部分に押し付けるしぐさを行うことで、口の中の圧力が高まるので、長期間にわたると歯並びに影響を及ぼすことがあります。
指を吸う力によって上あごの歯列が狭くなる「歯列狭窄」になり、上あごと下あごのかみ合わせがずれて、上あごの前歯が前に出てくる「上顎前突・出っ歯」や、奥歯で噛んだ時に上下の前歯がかみ合わない「開咬」になることがあります。
唇を歯で噛む癖で、上顎前歯の裏側で下唇を噛む場合が多いです。
下唇を噛んだり吸ったりすることにより、上の前歯は前方に傾斜し、下の前歯は内側に傾斜して「上顎前突・出っ歯」になったり、かみ合わせが深くなり(過蓋咬合)かみ合わせのバランスが悪くなります。
舌を突き出す(突出)癖のことをいいます。
舌が前歯を押すことにより「上顎前突・出っ歯」や「交叉咬合(不正に交叉したかみ合わせ)」、「開咬」の原因になります。
またこのような舌の癖があると、かみ合わせだけでなく発音にも影響が出てきます。「さしすせそ」や「たちつてと」がハッキリ発音しにくくなります。よく言われるのが、舌足らずなしゃべり方です。
爪を噛む癖のことをいいます。
咬爪癖は「開咬」を引き起こす可能性があります。
また歯で爪をかむことで、深爪や、爪の先端がギザギザになってしまったり、表面がデコボコになってしまうことがあります。
花粉症、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などの鼻の病気により鼻がつまり「鼻呼吸」がしづらいために「口呼吸」となることがあります。
この場合、口を開け、舌を低位として口で息をするため、舌や口の周りの筋肉のバランスが変化してしまい、「開咬」「上顎前突・出っ歯」「交叉咬合」を引き起こします。
出っ歯になると、口が閉じにくくなり、口呼吸を引き起こし、歯並びが悪くなるだけでなくお口まわりの機能が低下してしまいます。
習慣性の口呼吸は習癖の指導で改善することがありますが、鼻咽頭疾患によるものは耳鼻咽喉科での対応が必要です。
上記のように、日常生活においてのお口の習慣は、口腔の機能や形態に深く関わっていることが分かります。
歯並びが悪くなってしまったり、虫歯になりやすくなったり、矯正治療の早期後戻りの原因につながります。
好ましい口腔習慣として、
が挙げられます。
これは、MFT(歯列を取り巻く口腔周囲筋の機能を改善する訓練法)により改善することができます。
MFTについては今後またブログにて紹介できできればと思います。
歯並びでお悩みがございましたら、ぜひご相談ください。
港南台パーク歯科クリニックでも月に一度、矯正専門医による歯科矯正相談を受け付けております。
できるだけ早く発見し、治療計画を立てていきましょう。ご来院をお待ちしております。
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