2021/10/28
治療内容
サージカルガイドを用いたインプラント治療期間
6ヶ月治療回数
15回程度費用
インプラント4本 880,000円(税込)
患者様の主訴は『入れ歯を支えている前歯が取れてしまった。他院ではインプラント治療ができないと言われた。嘔吐反射が強いため、違和感が少なく、見た目の良さがしっかり確保できる治療をしたい』というものでした。
前歯のブリッジに留バネを引っかけて入れ歯を固定していましたが、その固定源となっているブリッジが取れてしまい、入れ歯が使用できない状態でした。
当日は応急処置として前歯のブリッジをボンドで戻して、入れ歯が使用できるようにしました。
今後の治療プランとして、グラグラしている前歯を抜歯した後の治療方法を3通り提案させていただきました。
インプラントを4本用いて入れ歯を固定する方法、インプラントを4本使用してブリッジを固定する方法、保険診療による入れ歯を作成する方法です。
それぞれの治療のメリットとデメリットは以下の通りです。
①インプラントを4本用いて入れ歯を固定する方法(インプラントオーバーデンチャー:IOD)
メリット:インプラントを用いて入れ歯を固定できるため、口蓋を入れ歯で覆わなくてすむので、違和感が少ない。入れ歯を外すことによって、インプラントの手入れがしやすい。
デメリット:入れ歯なので着脱の煩わしさがある。保険の入れ歯に比べると、違和感は少ないが、装着感はそれなりにある。
②インプラントを4本使用してブリッジを固定する方法(ALL ON 4)
メリット:インプラントによって、取り外しができないブリッジを固定できるため、ほぼ自分の歯と同じような見た目と機能を獲得できる。
デメリット:ブリッジが外せないため、インプラント周囲のメインテナンスが難しい。費用が一番高い。
③保険診療による入れ歯
メリット:保険診療なので、費用が一番安い。インプラントのような外科処置が不必要であり、治療期間が短い。
デメリット:使用できる素材がプラスチック製に限られ、入れ歯で口蓋を全て覆うため、最も違和感の大きい治療になる。強度や耐久性に劣るので、すり減りや変色が見られるようになり、破損する場合がある。
患者様と相談した結果、今回は①のインプラントを4本用いて入れ歯を固定する方法で治療していくことになりました。
治療手順は以下の通りです。
1:残すことのできない前歯の抜歯と仮の入れ歯の作成
嘔吐反射が強いため、インプラントと関係のない前歯は一時的な入れ歯のバネを引っかけるために残しておきました。
2:シミュレーションソフトでインプラント治療を計画し、サージカルガイドを作成
サージカルガイドを用いることで、理想的な位置にインプラントを埋入することできます。また、手術時間もかなり短縮され、より安全なインプラント手術が可能となります。
3:インプラント手術
サージカルガイドを用いて、局所麻酔下にインプラント埋入手術を行いました。手術はサージカルガイドを用いたため、1時間程度で無事に処置は終了しました。
こちらがサージカルガイドの写真です。
インプラントが4本埋入されたレントゲンになります。
4:入れ歯の型取りとセット
インプラントが骨と結合(インテグレーション)するのを3ヶ月ほど待ち、入れ歯の型取りを行いました。入れ歯が出来上がってきたので、インプラントに入れ歯を固定する留め具(ロケーター)を装着し、入れ歯をセットしました。
5:入れ歯の最終調整
数日入れ歯を使ってもらった後に、入れ歯の調整を行なって、処置終了です。
治療後3年ほど経過しますが、インプラントも入れ歯も快適に問題なく過ごされています。
今回、インプラントオーバーデンチャーという治療方法を選択したのは、患者様の歯周病体質によるものが大きいです。
インプラントを用いたブリッジも治療法の選択肢の1つでしたが、この治療法の最大のデメリットはセルフケアが困難であるという点です。歯周病のリスクを減らすためには、やはり毎日しっかりとご自身でセルフケア(歯磨き)ができることが大切です。
今回用いたインプラントオーバーデンチャーは入れ歯を外すことによって、インプラント周囲のセルフケアが非常にしやすくなります。また、インプラントが歯周病になってトラブルを起こした際にも対応がとてもしやすいです。
また、今回のケースのように嘔吐反射が強い方や、入れ歯のカタつきが気になる方にも、入れ歯の違和感が少ないためとてもお勧めの治療になります。
インプラントによるブリッジよりもインプラントの本数が少なくすむケースが多いので、費用も抑えられます。特に下の総入れ歯でお困りの方にお勧めです。
港南台パーク歯科クリニックでは、今後とも患者様のお口や体の状態に沿った歯科治療を提供していきます。入れ歯治療や、歯の見た目などでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
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